Profile

1990年、当時の職場の上司に誘われて行ったのが、現在の水中写真家としての私の原点となる大瀬崎の海です。魚やイソギンチャクがすぐ目の前に生きて動いているという、単純で美しい世界は、その時の私にとって、一瞬で、ここを自分の生きるフィールドとしたいと決意するのに十分な感動がありました。すぐに仕事を辞め、ダイビングのライセンスを取得し、自らがインストラクターとなるまでに時間は要しませんでした。

大瀬崎の海は、日本で最も深い駿河湾をはさみ目の前に富士山が聳え立つ絶好のロケーションです。季節風が吹くと、最深部から運ばれる湧昇流が沸き上がり、そして伊豆半島の豊かな山々から供給される栄養分が交ざりあって、多くの生き物を育む場所です。中でも、私が永年取り組んでいるプランクトンについて、大瀬崎は世界でも有数の豊かで恵まれた海の一つです。

プランクトンは、不思議で美しい生き物です。それはまさに命の価値を象徴しています。このような姿を、海の中のありのままの状態で、より多くの人に見てもらいたいとの思いが、難易度の高い水中での浮遊生物撮影を始めた動機でした。いずれもそのほとんどが小さくて、予想しにくい動きをするものばかりです。微細な形態、色、質感を表現し、その美しさを鮮明にとらえるために、この20年間は集中して撮影を行って来ました。

プランクトンは出会うこと自体が難しいのですが、その日の風向きや潮を読みながら、徐々に出会う確率を上げることができました。中でも、夜間は幼生たちが接岸し、次のステージへ移行するための変態が行われる時です。その際、より効率よく彼らと遭遇するため、試行錯誤を繰り返しながら、照明についての工夫を行いました。その手法はBlack Water Dive® として商標登録しており、その世界を知らないダイバーにも新たな世界を体験してもらうために、定期的にイベントを国内外で開催しています。

これまでは、専門的な図鑑の制作(see Bibliography)を行い、新たな発見や知見を専門の研究者と共同で論文発表してきました。プランクトンの他にも、甲殻類やイカ、タコについての知識に基づいた撮影は、研究者からも高く評価されています。

科学的な分野こそが自分のカテゴリーだと感じてきましたが、20年撮りためたこの生命の尊さや美しさを、より広く、多くの人に見てもらうべきだと思うようになりました。これまで一度も、賞への応募や写真展の開催などはしてきませんでしたが、2016年の第5回日経ナショナル ジオグラフィッック写真賞に応募し、グランプリ受賞の評価を受けました。より多くの方にこの写真を見ていただくべきとの思いは間違っていなかったと思います。これからは、さらに広く、世界中で展示やワークショップ、そしてプリント発表を行なっていきたいと考えています。

Qualifications

中型自動車第1種運転免許

潜水士(国家資格)

高圧ガス製造保安責任者免状(国家資格)

自然公園指導員(環境省)

Sponsor

私の活動をサポートし、常に価値を共有するスポンサー企業。


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