Statement Japanese - Ryo Minemizu - Photography
Aurelia

Statement

海は命を考える偉大な教科書

私は、この20年間、海の生物を対象とする写真家として、図鑑や児童向けの教育書籍、またテレビの科学番組向けの静止画や動画を撮影してきました。主に科学的分野の水中写真家です。取材拠点は日本の中部太平洋岸に位置し、日本最深の深さを誇る駿河湾。そして、沖縄を中心とする琉球諸島もその一つです。また、米国西海岸、オーストラリア・東南アジア諸国などでの取材を重ねてきました。

テーマは、「命の尊さ」。生命の多様性は膨大ですが、すべての命が人目に触れることはありません。20年の取材を経た現在でも、潜るたびに新しい発見と新鮮な驚きを感じており、それを多くの人に伝えることを使命と感じています。また、その中でも、命の尊さを伝えることが水中写真家としての誇りでもあります。

わずか数ミリメートルのプランクトンの姿や色彩が、なぜ神々しいのか。それは、その命が自然に漂っている完全な姿だからという点にあります。昼と夜をあわせると、述べ8時間ほど水中で過しますが、その間ずっと水中に浮かび、シャッターを押し続けて、明らかにする世界です。

特に夜の水中では、極小の被写体を相手に、周りの水の動きを常に意識しながらコンマ数ミリの被写界深度をコントロールし、早いシャッター速度で撮るのが、私の基本的な撮影手法です。極小の生き物が生きるために、環境に適応した形、動かしているヒレや繊毛、色彩、どれを取っても、生命の貴重な必然の美です。それらすべては自然環境でしか捉えることのできないものであり、肉眼では見えないところまでも写真に切り撮り、初めて伝えることのできる感動です。

これまでは撮影も発表も科学的な分野に限ってきましたが、これからは、海中の小生物の感動的な美しさを、より広く人々に知ってもらいたいという思いがあり、その最初の試みが、日経ナショナル ジオグラフィック写真賞2016への応募です。そこで、グランプリ受賞という嬉しい結果となりました。これから、さらに表現を広げ、より多くの方に、海の命の神秘と地上では考えられないような美しさを伝えたいと思います。

峯水亮
2017年4月


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